バックアップ再考 202506:QNAP→Mac mini
mac miniにすることにした基素.icon
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得られるもの(Mac miniをNAS化)
macOSで統一:写真Appや他のMac専用ソフトを母艦のまま使える
将来的にはMBPを使わずにmac mini + iPadに移行できる可能性もある基素.icon
Backblaze無制限バックアップ:クラウド側の容量上限を気にしなくて済む
外付けSSD/HDDを好きに付け替えられる:本体故障時もデータを他PCへ直挿し可
「自作サーバー」的な学習経験:pmset/smartmontools/NUTなどを触れる
静音・省スペース(HDDを減らしてSSD中心にすればさらに静か)
失うもの(Mac mini案の弱点)
RAID冗長化とホットスワップ:故障=ダウンタイム、リビルド自動化なし
NAS専用機能:Qsirch全文検索、HBS 3のS3/Glacier連携、スナップショットGUI
運用自動化の完成度:SMART監視、UPS連動、fsck/rsyncスクリプトを自分で組む手間
拡張性:外付けケースが増えるほどケーブル・電源が煩雑になりがち
リストア時間:Backblazeから10 TB級を引き戻すと数日かかる
コスト感 差は数万円程度
プラン4. オールSATAフラッシュNAS基素.icon
12TB RAID5が組める
コスト
TS-464 9.5万円
https://www.qnap.com/ja-jp/product/ts-464
QXG-10G2TB 5.5万円
https://www.qnap.com/ja-jp/product/qxg-10g2tb
ストレージ 10万円
すでに2つのSSDがあるので残りの2つ(10万円)を買う
QTierから単なるHDDになる際の懸念
検討まとめGemini 2.5 Pro.icon基素.icon
1. 当初の課題と選択肢
根本的な課題は、現在使用中のQNAP NAS TS-453mini のCPUがAES-NIに非対応であるため、暗号化したボリュームの性能作れなそう。代わりにCryptomatorを利用すると著しく低く、Eagleなどのアプリケーション利用時に実用的な速度が出ない点にあった 。
この課題解決のため、以下の3つのプランが検討された。
プラン1:オールSSD NAS
概要: 性能は理想的だが、約46万円というコストは個人の利用では非現実的と判断 。
プラン2:Mac miniをNASとして利用
概要: コストを抑えつつ、macOSエコシステムを活用できるプラン 。
プラン3:最新のQNAP NASへ更新
概要: 最も低コストで既存の環境や知識を活かせる、バランスの取れたプラン 。
2. 検討プロセスの変遷
当初はGemini 2.5 Pro.iconのおすすめはQNAPの利便性からプラン3。基素.iconはmac miniが気になっていたが、運用の手間も見えていた。対話を通じて価値観が明確になるにつれて、プラン2の魅力が増していった。
2.1. 価値観の明確化:機能よりコストとバックアップ戦略を重視
QNAPの高度な検索機能「Qsirch」は、実際には「あった方がいい」程度で、必須ではないことが明確になった。
バックアップ戦略が重要な選択基準として浮上。QNAPのHBS 3によるS3 Glacier等へのアーカイブ機能と、Mac miniで利用可能なBackblazeの低コスト・容量無制限バックアップが比較された。
2.2. リスク評価:「RAIDなし」構成への移行
Mac mini案ではコスト最適化のためRAIDを組まないという方針を決定。
これにより、比較の軸が「復旧の手間」から「ローカルでの冗長性(QNAP) vs クラウドバックアップへの完全依存(Mac mini)」という、より根本的な思想の違いに移行した。
2.3. ダウンタイムの許容と最終的な価値判断
利用目的が個人利用であり、重要なファイルは別途Google Driveにも保管されているため、ドライブ故障による1週間のダウンタイムは許容可能と判断。
これにより、QNAPのRAID構成がもたらす「無停止での運用」という最大のメリットの優先度が下がった。
「時間はかかっても、クラウドからデータがちゃんと復旧できること」が最低限の条件であると確認された。
3. 最終決定と選択理由
最終決定: プラン2(Mac miniをNAS/メディアサーバーとして導入する)
上記プロセスの結果、当初の懸念点が自身の利用実態においては許容可能なリスクであると判断できたため、Mac mini案を選択するに至った。選択の決め手となった理由は以下の通り。
コスト効率: RAID用の複数ドライブや、QTierのためのSSDといった「二重投資」を避けられる。また、Backblazeの低価格なバックアップサービスを活用できる。
リスクの許容: ドライブ故障がデータ即時消失と長期のダウンタイムに繋がるリスクを認識した上で、それを「4〜5年に一度のメンテナンス作業」として許容すると判断した。
エコシステムと汎用性: 使い慣れたmacOS環境で、写真アプリの母艦や各種サーバーアプリの実行など、NAS以上の汎用的な活用が可能。
柔軟性とデータの独立性: データが標準フォーマットの外部ドライブに保存されるため、サーバー本体(Mac mini)とデータが物理的に分離される。これにより、将来のPC更新や、本体故障時にもデータを容易に別のマシンへ接続できる。
将来性と経験: データ容量が10TBを超えるまでにはまだ数年の猶予がある
データが大きくなったらZFSの魅力は増す基素.icon
約10年間利用したQNAPから新しい環境へ挑戦したいという動機。
最悪、買い換えればいい基素.icon
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課題
NAS上にEagleが使える程度に早く、暗号化したボリュームを作成したい
Cryptomator + Eagle + HDD NASは相性が悪いので脱却するで調査していくとAES-NIのCPUがないので無理だった
バックアップのコストを節約したい
保存容量=12TBのデータを保存するとすると(ドル円=145)
myQNAPcloud storageでも保存容量*1000*0.006*ドル円
S3 Glacier Deep Archiveでも保存容量*1000*0.00099*ドル円
データをロストすると復帰時に保存容量*1000*0.0025*ドル円円かかる
最も安価なbulk(大容量)の場合
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/restoring-objects-retrieval-options.html
昔よりかなり現実的な価格になって嬉しいね基素.icon
6ヶ月の縛りあり
backblaze
99/12*ドル円
https://www.backblaze.com/cloud-backup/pricing
ソースネクスト版 7700/12円
参考:iCloud 2TB 1500円/月
バックアップのコストはあまり下がらない
S3と比べて意外とコストカットにならない。10TBだと5年運用で5万円弱、30TBだと21万円。データが大きくなればなるほど恩恵が大きい(なので海外ビデオグラファーはBackblazeを使う)
((保存容量*1000*0.00099*ドル円)-(7700/12))*12*5
ハードウェア的な運用コストは下がる
12TBのRAID5が欲しかったら4TBのHDDが4本必要(Iron Wolfだと2*4=8万円弱)
RAIDを止めると12TBのHDD 1本になる(Iron Wolfが5万円弱)。HDDの運用期間を5年として3万円コストカットとなる
ただし速度は落ちるし、復旧までの時間がかかる
よって、HDDにはほとんどアクセスしないものしか入れないという割り切りと、SSDとHDDどちらに何を入れるのかの工夫が必要になる。
こういうコストは意外と高くつく。QNAPのファイルシステムが1つの複数のストレージをいい感じに使って1つであるかのように扱っているのは恩恵が大きい。
さらに、役割ごとにストレージを追加する必要がある(TimeMachine用に1つ)。厳密にはその必要はないが、運用の手間を減らすためにそうする。だから差はもっと縮まる。
RAIDを組まずに恩恵を得られること
ストレージを大きいものを買い足したらそのまま多くなる
12TB*2にしたら24TBになる
RAIDを組んでいる場合、全てのストレージを大きくしないと意味ないので、容量を大きくしたいときの出費が大きくなる
年間2-3000円ぐらいの電気代節約になる(HDD1代で1000円ぐらいかかる)が、全然大したことない
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(3台構成・日中15 h回転 / 夜間9 hスリープ・電気料金30 円/kWhで計算)
1. 消費電力の前提
3.5 inch HDD : 回転アイドル 6 W / スタンバイ 1 W
2.5 inch SSD : アイドル 1.5 W / スタンバイ 0.1 W
DAS筐体内部(制御基板+ファン) : 5 W 常時
2. ディスク部の年間電力量
HDD 3台 (6 W×15 h + 1 W×9 h) ×365日 ×3台 ≈ 108 kWh/年 ≒ 3,200 円
SSD 3台 (1.5 W×15 h + 0.1 W×9 h)×365日 ×3台 ≈ 26 kWh/年 ≒ 800 円
合計コスト
HDD NAS 約 4,500 円/年
SSD NAS 約 2,100 円/年
→ 差額 ≈2,400 円/年
(可能であれば)SSDの作業スペースが欲しい
写真appはNAS上にライブラリを作れないので、SSDに入っているが、このバックアップをいちいちNASに繋いで取っている。面倒。
設置後のパフォーマンスチェック
QTierしたNASの速度を測る#60abded6774b170000081af8と同等の速度が出るか?
バックアップしたいデータ
table:保存したいデータ
項目 重要度 容量 複数デバイスでのアクセス 屋外からのアクセス 秘匿性
プライベートの写真・動画 超高 ~1TB 不要(写真appでできない) 不要(写真appでできない) 中
秘匿性の高いデータ 高 〜数TB 不要 不要 高
旅行や企画の動画素材 低 青天井 不要 不要 小
書類 高 比較的小さい 中
電子コンテンツ(動画・書籍・音声その他) 高 〜数TB 必要 必要 小
典型的なワークフロー
コンテンツ消費
素早くアクセスしたい・iPadでもアクセスしたい
方法:NAS・(クラウドストレージ)
動画編集・制作
ものすごく素早くアクセスしたい
方法:SSD
ひと段落したデータのアーカイブ
アクセスは遅くても良い
コスト最適化
重要度が高以上のものは3-2-1バックアップ
重要度が低いものはHDDに入れて壊れたら諦める
コスト面で優れるBackblaze Computer Backupを中核にすえるとどうなるか?
以下のデータをここに入れることができ、結構容量を削減できそう
プライベートの写真・動画
秘匿性の高いデータ
大容量のHDDをコールドストレージ用エンクロージャに入れてPCと繋いで入れておく
速度が必要なデータはSSDに入れる
旅行や企画の動画素材
編集が終わったらBackblazeにバックアップしない単なるHDDに入れて保存(消えたらそこまでで良い)
電子コンテンツ(動画・書籍・音声その他)はNASに入れてGoogle Driveと同期
書類は即時アクセスが不要で容量が小さい&検索性が重要なのでGoogle Driveだけで良いし、Cosenseに入れる方がむしろ有用かもしれない
NASである意味は?
(不要?)動画にPC/iPadから素早くアクセスしたい
実際、iPadからコンテンツを見ることは少ない。PCにわりきればSSDでできる
(不要?)コンテンツにiPadからアクセスしたい
Google Driveでもできるが遅い
よくアクセスするものはダウンロードしておけばいい
複数端末からのワーキング用のストレージとして使いたい
Macで動画編集してWindowsでも編集したい
大きめのファイル転送がしたい
SSDでできる
付け替えが面倒
QSirchによるPDFの内容検索
昔検証した時にはGoogle Driveだと代用できなかった
データのバックアップ(定期的な同期)
役割を終えた用途
アプリケーションサーバー→ホスティングサービスを使う
音楽→サブスク主体になった(ないのもあるけど)
構成
オールSSD NASで作業・コンテンツ消費しつつ、DASに移動してBackblazeでバックアップ
Backblazeの仕様に依存するが、この構成も可能じゃないかな?
問題はオールSSD NASを組むのに46万円ぐらいかかるってところだな。うーん。映像作家でもないのにコスパが悪すぎる
TBS-h574TX 24万円
WD Red SSD 4TB 56540 * 4
https://shop.sandisk.com/ja-jp/products/ssd/internal-ssd/wd-red-sn700-nvme-ssd?sku=WDS400T1R0C-68BDK0
ここまで組んだら小規模スタジオ開けるよな
TBS-h574TXがオーバーキルすぎる
RAID5で組んだら10TB使える。コンテンツが5TBあったとしても5TBはワーキングスペースとして使えるので十分
行動シナリオ
コンテンツ消費
PCからNASにアクセスして動画再生
写真
十分高速なので、NAS上にライブラリを作れるかも
ここが不確定要素基素.icon*2
作れない場合は写真用SSDが必要
写真データを利用したい際には
SSDが必要なら
編集用SSDを作業用PCに接続
ライブラリからエクスポートして使う
NAS上なら
ライブラリからエクスポートして使う
iPadでの動画視聴
SMB経由でinfuseで見てる
iPadで書類が見たい時にはNAS/Google Driveに接続
動画編集・制作
動画編集用のSSDを繋いで動画編集
ひと段落したデータはMac miniにSSDを接続してのHDDに保存
バックアップ
NASから定期的にバックアップ
重要度が高以上のデータのみS3 Glacier Deep Archiveなどに保存
iPhoneで撮った写真は作業用繋いで写真Appで
情報検索
Qsirch
物理構成
TBS-h574TX
一時的な作業スペース
TR-004
(動画バックアップ用HDD)
Google Drive:書類全て
欠点
plan2. mac miniをNASとして使う計画
Plan 3. QNAPのアップデート版に乗り換える
QTierに加えてSSDキャッシングを有効にする
https://www.qnap.com/ja-jp/solution/ssd-cache
現代的なCPUはAES-NIも備えている
コスト
85360
https://www.amazon.co.jp/QNAP-TS-464-8G-US-4ベイ高性能デスクトップNAS、Intel-Celeronクアッドコアプロセッサ、M-2-PCIeスロット、デュアル2-5GbE/dp/B0BQ5TWCL8
バックアップ用HDD
懸念
Cryptomator + Eagle + HDD NASは相性が悪いので脱却するの問題が解決するのか?
o4-mini-high.iconEagle がサムネイル生成やプレビューのために大量の短時間ランダムアクセスを行うのに対し、HDD NAS では I/O が追いつかず固まってしまっていた
Plan 3 の QNAP TS-464 は Qtier によってアクセス頻度の高いデータを SSD 階層に自動移動し、さらに SSD キャッシュでランダムアクセスの応答を高速化する
加えて Intel Celeron(AES-NI 搭載)CPU により Cryptomator の暗号化復号オーバーヘッドも軽減される
したがって Plan 3 環境では Eagle の動作に必要な短時間ランダム I/O 性能が満たされ、Eagle を問題なく使える見込みです
QTSからQuTS Heroへの直接マイグレーションツールはなさそう
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動画のバックアップ